ヤマカワラボラトリ

ことばとおんがくがすきなめんへらさん、ヤマカワの研究所。

00020_嘘つき

嘘をつくのが苦手だ。
たとえば「嘘ついちゃった……」と後悔して、なんにも関係ない時に罪悪感を覚えたりする。
いや、罪悪感なんていうのはきれいごとで、本当は嘘が露呈することを恐れている。
嘘がバレたとき、証拠を突きつけられたとき、辻褄を合わせようとして必死に動くけれど、
結局なにも理由を用意できない真っ白な思考回路。
似たような経験が多いだけに、やけにリアルに思い浮かべてしまう。
言い訳する自分があまりにもかっこ悪くて、嫌になってしまうね。
大切にしてきた人からの信頼をぼろぼろに崩してしまう様を感じるのは、本当に苦しいね。
 
嘘がバレたとき、また発狂してしまわないか、少し不安だ。
うまくごまかし切る必要はない。
逆ギレでも黙り通してやり過ごすでも良い。
 
いずれ、隠していたことは露呈するだろう。
嘘を付いていることを糾弾されるだろう。
乗り越えなければならない。
未来に苦しまないためにも、
これからは嘘をつかないように生きたい。
 
……と、ここまで書いておいて。
そう言えば日中、上手い嘘を付けるようになりたいと思ったことをふと思い出した。
すぐに180度違うことを考え出す自分にはもう慣れている。
他の人を傷つけないために、人とうまく関わっていくために、
自分の望みを叶えていくために、嘘も方便、なのではないか、なんてね。
だいたい嘘をつかない理由が相手への誠意じゃなくて、
自己保身に基いているところが正直どうなの、って話よ。
嘘つきに伴う私の苦悩で他の人が一人でも救われるなら、
いくらでも嘘を付く方が良いんじゃないの?
自分が辛いからってあまえんなよ。
とかね、考えてしまう。
 
結局自分は真実を貫き通すこともできず、
上手い嘘を付くこともできず。
引っ掻き回すだけ引っ掻き回して人に迷惑をかけるだけの存在になる気がする。
 
嘘をついた自分のことも、
嘘がバレて辛い自分のことも
受け止めて堂々と生きる、真っ当に生きることが出来る人間になりたい。