ヤマカワラボラトリ

ことばとおんがくがすきなめんへらさん、ヤマカワの研究所。

00022_優しい人

求めないで 優しさなんか
臆病者の 言いわけだから
 
 
 
小学生の頃、よく意味も考えず歌っていた言葉が、
この歳になってやけに突き刺さる。
 
昔からよく、優しいと言われる。
優しすぎる、とも言われる。
悪い意味で、決して褒めてない、と付け加えられたこともあった。
 
悪いことをした人を咎めないのは、
規律を乱す人を指摘しないのは、
果たして優しさと呼ぶのか。
 
当然のように、ナメられてもきた。
いじられても来た。
たぶん、いじめられても来た。
自分をあざ笑う連中に対して、
「笑いのネタになるならまだ貢献している」
と、考えていたこともあった。
「考え方を変えればいい面も出て来る」
そう考え続けて、痛みをこらえてきた。
必死でいい面を探して思考を巡らせた。
あの観点からはどうだ、この視点からはどうだ、
なんてとにかく考え方を散りばめるところが、
支離滅裂な思考へ繋がって、統合が失調したのかな、とふと思う。
なるべくして、なったのだ。この思考習慣に。
 
優しさを言い訳に、臆病さを隠して。
ヘラヘラしているだけの大人になってしまった。
強くならなければならない。
厳しくならなければならない。
荒波をはねのける、
力を手に入れなければならない。
不格好でも戦い抜く、
力を手に入れなければならない。
そういう男に、なりたいのだ。