ヤマカワラボラトリ

ことばとおんがくがすきなめんへらさん、ヤマカワの研究所。

00026_精神科医を信じる

 
ブロガーの星野さんの記事を拝読して、医者を信じるということは難しいなと思った。
精神科医に対して疑問を持つポイントは、いくつかある。
 
 
1.そもそも精神科医として力量不足なんじゃないの?
 
2.力量があっても、金目当てでためにならない治療してたりするんじゃないの?
 
3.直感的に、この医者好きになれない。
 
 
なんてところがメジャーかと思う。
1.の力量不足って点については、見抜くのがちょっと難しいかもしれないけど、実際有り得る話。
新しい薬がどんどん出てるのにろくに勉強せず古くて依存度の高い薬を漫然と処方し続ける医者がいる、という話もよく耳にする。
ちょっと逸れるけど、精神保健指定医の資格を取る時にちゃんとレポートを書かず他人の書いたものを使ったりする、なんてニュースもあった。
 
2.の金目当てって点については、自分も思ったことがある。
あくまで私の場合だけど、受付で診察券を出して、30分から1時間くらい待って、いざ診察となっても話すのは長くて5分。
大抵3分くらいで「じゃあいつもと同じ薬で様子見ましょうか」となる。
効率的に患者を回して点数を稼ぐためなんだろうな、と思ったりもする。
あとは、休職中にデイケアを勧められた時の話。
仕事で疲れてしまい、日夜ずっと寝たきりになっていて生活リズムも何もあったもんじゃない状態で診察を受けたとき、
「じゃあ当院のデイケアを利用されてはいかがでしょうか?」
と言われた。
脳内をよぎるのは、ここで利用するサービスを増やせば、またこの病院に金が入ることになる、ということ。
結果的にはそのデイケアに通ったのが効果てきめんで、なんとか社会復帰をするに至ったわけですが。
最初の感覚としては疑惑がないわけではなかった。
 
3.についてはかなり根が深い問題。
この場合、正直別の医者に行ったほうが良いんじゃないかと思う。
生理的に受け付けない人とか、苦手だと思ってしまった人に対して、
信頼するまでの関係を築くのはなかなか難しい。
先にも述べたように、医者と話せる時間などかなり限られている。
その時間内に無理矢理嫌いな人を好きになろうとするのはあまり現実的でない。
ただでさえ、心が疲れているから受診してるのに、余計なもの背負い込んでどうすんねんという話。
 
ということで、ドクターとの関係づくりには様々な心理的障壁があるわけだけど。
個人的には、その問題をどう解決するかということが治療において重要だとおもう。
 
1.に関しては、口コミサイトとかを参考に評判を調べたりするのが一つ役に立ちそうだ。
また、精神科医の先生に聞いた「良い医者を探す方法」として、
地元の保健所に問い合わせる、というのがあるらしい。
保健所であれば、各病院、クリニック、医師の情報が集まってくるという。
そこでオススメの場所を2,3箇所聞いておき、自分にあったところを探すのが良いとのこと。
 
2.に関しては、ある種諦めも必要かと感じている。
医者だって慈善事業でやっているわけではない。
私のケースのように、利益追求に見えた医者のススメで症状が回復することもある。
理想的なのは、医者も利益を得て、患者も回復すること。
問題点疑問点はもちろん指摘して行かなきゃいけないですけどね。
どうしても心が病んでいると「無償の愛」「慈しみ」なんかを医者や支援者に求めてしまう。
金儲け=悪という発想は、必ずしも正しくない。
 
3.に関しては、先にも述べたけど、合う人を探すしか無いとおもう。
どんな名医でも、合わない人だっている。
さっき言ったことと矛盾するようだけど、
評判を鵜呑みにして、「この人はいい先生って言われてるから」ということで
嫌いな人のところに通い続けるのも良くない。
 
「お客様は神様です」という言葉に対する反論はよく聞く。
お客様は神様ではない、とね。
ここで改めて思い出したいのは、「お医者さんも神様ではない」ということ。
 
医者だって人間だから、知らない知識もあるはず。
医者だって人間だから、お金が欲しいはず。
医者だって人間だから、合わないこともあるはず。
 
医者に非現実的な期待を抱かないことが、現実的な治療効果、信頼を得るための第一歩なのかもしれない。