わざわざ言ったこともないけれど、一人称や行動や文体で容易に想像できると思うけれど。
ヤマカワは男性です。
……うむ、いざ書いてみると違和感甚だしいのだが。I am a man(?)
なんでわざわざこんなことを言ったかというと。
最近なんとなく女性とお話する機会とか、そういうのが増えているかもなぁと思ったので。
母、姉、父方の祖母、母方の祖母、叔母たち、伯母たち、いとこたち。
小学生の頃運動会のダンスで隣になった背の高いあの子。
初めてのバレンタインでわざわざ家までチョコを持ってきてくれたあの子。
その子に付き添って来てくれたけど、個人的にはそっちの、付き添いできてくれた子からもらいたかったなぁとか思ってたあの子。
クラスの中心あたりにいて、いつも黄色い声ではしゃいでいたあの子。
幼稚園から小学校までずっと同じクラスだったあの子。
なんかあるとすぐに飛び蹴りを入れてくるあの子。
おしとやかでかわいいかと思って話していたら全然そんなことなかったあの子。
はつこいの子。
あどけない笑顔でいつも話していて、あどけない笑顔で先輩と付き合いだしたことを話してくれたあの子。
何事も一生懸命だったあの子。残念ながら何事もあまり上手くなかったあの子。でもそれなりに幸せそうだったあの子。
妙なご縁があったあの子。
よく好きな人との話の内容を聞かせてくれたあの子。告っちゃおうかな~でも振られたらどうしよう、と話していて、もし振られたら俺と付き合おうよ的なことを言ったら、それ以来口をきいてくれなくなって呼び方も変わってしまったあの子。
初めてSNS上で知り合ったひと。詩を書くことを教えてくれたひと。
直接技術を教わるとかじゃないけど、「こんな風にして文章で感情を表現するという世界があるのだよ」ということを、その紡ぐ言葉で教えてくれたひと。
好きなバンドが一緒で、その話で盛り上がっていたけど、カラオケでそのアーティストの曲を歌ったら気持ち悪いと言われ、嫌われてしまった子。
びじんだなぁと思っていて、席替えで席が近くになった時に、クラス全体に聞こえるように嫌味を言っていた、ミスコンとかにも選ばれている美人のあの子。
笑顔で明るく振る舞っていたのに、陰でひどいあだなをつけられ笑われていたあの子。
詩人のあのひと。よくあるタイプのポエムだと思っていたら最後に一つ毒のある言葉で突き刺してきたあのひと。うたが好きなひと。
私の友達のことが好きで、彼女がいるかとかを聞いてきた後輩のあの子。多分うまくいかないだろうな、と思いながら、上手く言ってほしいなと思いながら、無責任に背中を押してしまったあの子。
年上の私に対して「もっと恋愛した方がいいですよ、経験した方がいいですよ」とメールを送ってきたあの子。「なんでも良い」と言われてかえって悩み、レストランですぐにメニューを決めることができず迷惑をかけてしまったあの子。
友達の彼女。友達の彼女。友達の彼女。
学校から駅まで二人で帰るようになってたら、それはそういうこと。
上品なのに気取らないあのひと。美人だしメイクもばっちりなのに裸足にスリッパがトレードマークだったあのひと。
あたまのよいあの子。成績優秀者の欄でよく名前を見ていて何者だと思っていたら、とても可愛らしくて表情豊かですごいなぁと思っていたあの子。友達の彼女。
友達の彼女。ちょっと二人を見かけないなぁと思っていて、しばらくして出てきたら着てるシャツが変わってたらしいあの子。
肝試しの時ペアになったあのひと。暗い中で顔がよくわからず、そこから出た後はたくさんの先輩たちの中に混じってしまって、結局どの人があのひとだったのかわからずじまいになってしまったあのひと。
ほとんど関わりなかったけど、ツーショットで写真とってくれたあのひと。
良い人なのになぜか周りと上手くいってなくて、年下の男たちと遊ぶほうが楽しそうだったあのひと。
卒業する時に、私がかけた何気ない言葉が嬉しかったと言ってくれたあの子。「先輩のこと、結構好きだったんですよ」と冗談っぽく言ってくれた、後輩の彼女。
プライドの高そうなあのひと。同い年なのに未だに「あの子」と呼ぶのがためらわれるような、あのひと。実際頭のキレは鋭かったあのひと。
分数ができないと笑って言ってたあの子。
飲み会で初めて「関西弁の女の子ってかわいいな」と思わせてくれたあの子。
ふざけているようで、何も考えていないようで、何気なく本質を射抜く言葉を投げかけてくるあの子。
はじめて相合傘をして、はじめて手をつないで、はじめて告白して。はじめて泣かせてしまったあの子。
完璧なひと。全てにおいてこの人には勝てない、と思うひと。
第二の母みたいなひと。この人には勝てない、と思うひと。向こうはもう忘れてしまってると思うけど、知る術もないけど、「その時」には葬儀に参加して焼香して見送りたいな、と思うひと。
ゆるそうに見えて実はとても貪欲で、成長することが好きだったあの子。
優秀な脳を持って、斜に構えていたあの子。
チームを引っ張っていた自分をうまくサポートしてくれた美人のあの子。本人的には何気なく、でも周りから見たら不自然だったであろう夕食への誘いを、全て見透かしたように美しく、その表情のように美しく断ってくれたあの子。
宅飲み明けの朝、友達たちがみんな寝てる中、二人だけベランダへ出て、一緒に雪を眺めながら昔の恋の話をしたあの子。
あの子。
今の時点で「あの子」と言ったら思い出すことにしている、あの子。
書き始めるとキリがないくらい、数多くの女性とすれちがってきたなぁと思う。
まだまだ書きたいひとたちばかりだけれど、今日はこのくらいにしておこう。
これからも、たくさんの女性たちとすれちがっていきたい。
別に付き合わなくても、キスしなくても、セックスしなくてもいいような気がする。
私の人生とあなたの人生が重なることがあるのなら、それはきっと幸せなことなのだ。
これからも、たくさんの女性たちとすれちがっていきたい。