ヤマカワラボラトリ

ことばとおんがくがすきなめんへらさん、ヤマカワの研究所。

00306_成長の物語

大学生のころのことを少し思い出しました。

当時からひねくれ者だった私は、周りのみんなが盛り上がっているときに水を差すようなことを言って場をしらけさせることが多くありました。

そんなシーンの中の一つの話です。

 

努力して、前に進んで、というモチベーションの高い同級生たちの中で、

 

「また成長の物語か」

 

というような物言いをしました。

就職活動中だったか、何か打ち込んでいることについてだったか、細かい状況は忘れてしまったのですが、とにかく「成長」することに対してシニカルな発言をしたことだけは覚えております。

 

周りのみなさんには「え~、いいじゃん成長の物語!」という形で私のネガティブをフォローしていただいたんですが。

 

どうですかね、成長の物語。皆さん好きですか。

不良少年がバスケットボールに出会ってメキメキ強い選手になっていくようなストーリーは、とても面白いですよね。

一方で、成長のために努力して……ということには、苦痛も伴うわけで。

「こんなことをしたって何にもならないかもしれない」という不安だって伴います。

 

挑戦しなさい。

成長しなさい。

さもなくば、あなたは置いて行かれる。

さもなくば、あなたは生きていけない。

 

ともすれば、そんなメッセージでもあると思うのです。

 

こんな風にシニカルなことを思ってしまうのですが、一方でそれは自分が「成長の物語」に強く惹かれているということでもあって。好きなことにのめりこんで、できることがどんどん増えて、成果がたくさん出てくる。そんな人にはとてもうらやましいという思いがあります。



どっちがいいんだよ。

どっちも選べない。

優柔不断だ。