00198_モブキャラの人生
主人公になりたかったのです。
自分はあれができてこれができて、Aくんに比べると勉強ができないけど、オレのほうが面白いこと言ったり運動できたりするのでオレが勝ってるし、Bくんに比べると運動は負けるけど勉強で大きく勝ってるし、この中でオレが一番!
とか考える子供でした。
なんとか理由をつけて、自分を一番にしたい考えを持っていたように反省します。
完膚なきまでに自分を超える人達が出てくるのは、高校に入ってからです。
あぁもうダメだ。どんなに理由をつけてもこの人には勝てない。
そういう存在がたくさん出てきたのがあの頃でした。
多少テストで点がいいとか、もうそんなことを話題に挙げることすらナンセンスに思える人々。
それから何度か、徹底的に凄い人たちを目の当たりにしながら、しょぼい自分を生きています。
今更はなやかさもくそもない年齢になってしまった。
今更、自分が舞台の中心に立てるような人間にはなれない。
そんなことは分かっている。
でもね、なんとなく。
モブキャラならモブキャラなりに何とかしたいなぁと思うのです。
そんなにだいそれたことはできません。
臆病で行動力に欠ける男です、わたしは。
それでも、自分なりに人生を謳歌したい。
やるべきことはしっかりやって、やりたいことはしっかりやって生きたいのです。
モブキャラがいなければ、主人公も目立たないし、ね。
やれることをやっていくのです。
ヘタなりに。