ヤマカワラボラトリ

ことばとおんがくがすきなめんへらさん、ヤマカワの研究所。

00335_涙

悲しいのに涙が出ない。

悲しくないのに涙が出る。

 

どちらも経験があります。

 

悲しいことを悲しいと認識するのは、難しいとも思う。

自分の気持ちを抑圧しがちな人ほど、難しくなると思う。

 

「泣くな」ということは幼いころから父によく言われてきた。

小学生のころ、自分の目標を書くシールに「なかない」と書いた。

姉に見つかって笑われたりした。恥ずかしいという気持ちを学んだのもその時かもしれない。

 

思えば、子供のころは「よく泣く子供」と言われていた。

実際によく泣いていたと思う。感情を爆発させて、両親にはかなり迷惑をかけたのではないか、と思う。

相撲を見ていて応援していた力士が負けた、ということで泣く。

夕食を食べながら泣いていて、「いつまでも泣いているな」と父から言われた記憶がある。

 

成長していって、あまり泣かなくなった。

かと言って、辛さを感じなくなったわけではない。

どちらかと言えば、余計に、必要以上に、繊細になってしまった感がある。

繊細なんて上品なものじゃないな、弱くなった。よわっちくなった。

 

ストレスを感じて、悲しくないのに涙が出たことがあった。

上司から強い指摘を受けて、目から涙が滴ってしまった。

「あぁ、泣いてるって思われる」「そんなに悲しいわけじゃないんだけど」

そんなことを思った。

事実、泣いているし、自分で思うより悲しかったんだろうけど。

 

どこかで感情を抑圧しすぎて、感情を理解する機能がバグってしまったんじゃないかと思う。

怒るべきところで怒れない。悲しみをうまく表現できない。そもそも自分が抱いている感情が「悲しい」で良いのかわからない。正常になりたい。正常になりたい。

 

泣くべき時に泣けなくて。

泣くべきじゃないときに泣いてしまい。

結局自分を責める材料でしかない。

 

そんなことを考えていたら少し泣けそうになってきた。

また被害妄想を現わしている、なんていう風に言われてしまうかもしれないな。