ヤマカワラボラトリ

ことばとおんがくがすきなめんへらさん、ヤマカワの研究所。

00198_モブキャラの人生

主人公になりたかったのです。

 

自分はあれができてこれができて、Aくんに比べると勉強ができないけど、オレのほうが面白いこと言ったり運動できたりするのでオレが勝ってるし、Bくんに比べると運動は負けるけど勉強で大きく勝ってるし、この中でオレが一番!

 

とか考える子供でした。

なんとか理由をつけて、自分を一番にしたい考えを持っていたように反省します。



完膚なきまでに自分を超える人達が出てくるのは、高校に入ってからです。

あぁもうダメだ。どんなに理由をつけてもこの人には勝てない。

そういう存在がたくさん出てきたのがあの頃でした。

多少テストで点がいいとか、もうそんなことを話題に挙げることすらナンセンスに思える人々。

 

それから何度か、徹底的に凄い人たちを目の当たりにしながら、しょぼい自分を生きています。

今更はなやかさもくそもない年齢になってしまった。

今更、自分が舞台の中心に立てるような人間にはなれない。

 

そんなことは分かっている。

 

でもね、なんとなく。

モブキャラならモブキャラなりに何とかしたいなぁと思うのです。

そんなにだいそれたことはできません。

臆病で行動力に欠ける男です、わたしは。

それでも、自分なりに人生を謳歌したい。

やるべきことはしっかりやって、やりたいことはしっかりやって生きたいのです。

モブキャラがいなければ、主人公も目立たないし、ね。

やれることをやっていくのです。

ヘタなりに。

00197_第六話『山川町のひとたち』

筆者が駅に向かうバスを待っていると、おばあさんがやってきた。
「あらあら、ヤマカワさんじゃない」


ご機嫌な様子で、ゆっくりと話しかけてくれた。
「あぁどうも、こんにちは」
筆者も笑顔で返事をする。特に今までお世話になっていたわけでもないのだけれど、よく道端で話をしてたおばあさんだった。

 

「最近お元気かい?仕事はどうだい?」
おばあさんの質問はいつもと変わらない。
「まぁなんとなくやってますよ。あんまり無理なくやれてますし」
筆者も笑顔で答える。本当はちょっと無理してるとか、そういうのは、こういうときは、どっちでもいいことなのだと思う。
「あらそう、よかったわねぇ」
おばあさんも、そんなに深いところまでは気にしない。

 

バスが来た。ほとんど人の乗っていないバスだ。
話の流れもあり、おばあさんと筆者は揃って一番後ろの座席に座った。
「おじいちゃんはどうだい? 元気してるかねぇ?」
おばあさんは、筆者の祖父について聞いてきた。
「おかげさまで何とか。ただ、認知症とか進んできてしまってるみたいです」
筆者としてはあまり言いたい話題ではなかったけれど、出来るだけ抑揚をつけて、会話に飽きていることを悟られないように話した。

 

「おじいちゃんはねぇ、若い頃とってもすごい人だったのよ」
はぁ、と浅い返事をする筆者をよそに、おばあさんは話を続ける。

 

私も若い頃、あなたのおじいちゃんと一緒に働いていたことがあったのよ。あなたのおじいちゃんはね、一生懸命しごとをしていたのよ。町のみんなからも信頼されていてね、いっつも笑顔で面白い人だったわ。それでも物事をうやむやにしないで、白黒ハッキリさせたいひとでもあったわね。考えが違うひとも出てくるんだけど、そういう人たちとケンカしても、なぜかすぐに仲直りしちゃうのよね。

 

「だから、あなたもがんばりなさい」

 

ひとしきりしゃべり終えて、おばあさんは唐突に筆者をはげました。
とりあえず、笑顔で返事をしておく。曖昧にはなってしまうけど。
「あなたもそろそろいい歳でしょ? 結婚するの?」
こういう質問をされるたびに、返事に困ってしまう。
「一人でいるより、誰かと一緒にいる方が活きる人だと思うわよ、あなたも」
おばあさんは笑ってそんなことを言う。

 

病院前のバス停でバスが止まる。おばあさんが「あら、もうついちゃったわねぇ」と言う。
「それじゃあね、ヤマカワさん。ヤマカワ家の未来は、あなたにかかっているのよ。おじいちゃんにもよろしくね」
適当に人に未来の責任とやらを乗せて、おばあさんはバスを降りていく。

 

おれそんなに大した器じゃないんだけどなぁ。
ご先祖に頑張られてるとプレッシャーだよなぁ。

 

そんなグチを思い浮かべながら、筆者は駅に向かうバスに揺られている。
自分、本当に、誰かと生きることができるのかなぁ。
もう呆けてしまい、筆者の名前も忘れてしまった祖父に、聞いてみたいと思った

00196_さえなければ

ストレスさえなければ。出来ることはもっとあったのに。

障害さえなければ。もっと活躍できるのに。

 

と思いつつ、

「いやみんなそれ同じじゃん」

と反論も思いつきました。

 

与えられたものも与えられないものもみんな違うけれど「その枠の中でやっていかなきゃならない」ということはみんな同じなんですよね。

 

いまあるもの、どうしたらもっとよく活かせるだろう。

どうしても、今は沈んでしまっているんだ。

 

「愚直にこれをやれ」ということにやる気は起きない。

すでに取り掛かりかけてやめちゃった、続かなかった、苦手だったものばかりだ。

 

ここで「さえなければ」と思えるものを上手く活かすと良い、と考えるのがヤマカワ流だったはずだ。

ストレスが無くなったらきっと文章なんて書けなくなる。

いずれストレスをなくした後、ストレス状態での心理状況を思い出せるよう文章にしておこう。

 

ストレスとか、障害とか。何とかしてうまく使えないかなぁ。

00195_前に進む

止まっているのは自分だけ、という思いに駆られます。
時間は進んでいるのに、自分が前に進んでいない。

どんどん後退しているように思えてしまう。

 

周りには、どんどん成長してく人がいます。
同い年、年上でだってそういう人はいます。
周りの人達の「会話映え」するエピソードに焦らされる。
絶対、そんなに綺麗なことばかりじゃないはずなのに。

 

何がこんなに自分をがんじがらめてしまうのか分からない。
いや、分かってはいるけどどう対処したらいいのかわからない。

 

年もある程度取ってしまったし、もう成長していくことも難しいのかもしれない。
いやだ。もっと成長したい。まだ、こんなところで終わりたくない。

 

やるべきことが分かっているのに、どうしてできない。
やるしかないよね。

00194_正しいことと正しいひと

あるテーマについて正しいことをいう人が、すべてのテーマで正しいことを言うとは限らない、という話。

というか、全てのテーマで正しいことを言うことはできない、くらい言っても良い気がする。

 

だから「この人が言っているから間違いない」と過度に考えることは危険だと思うのです。

私自身の思考の歪みの反省として。

 

Aさんが言うから間違いないだろう、と思う。

Aさんと私の言うことが矛盾する。

私は私の言うことには確たる自信がある。

他の人が言うなら「でも、違うと思いますよ」と言い返せるのに。

Aさんが言うと「もしかしたら別の理由があるのかもしれない」。

それが例え、Aさんが誤解していたとしても。

 

分かりにくい例なんですが、そういうことがある気がします。

「相手が間違うはずがない」という思いが強いこと。

「自分が間違う可能性はかなり高い」という思いが強いこと。

 

自分の正しさに自信がない。そんなことを思う今日このごろです。

00193_意味がないという不安

また少し、ブログ更新を増やしてみています。

文章を書く時間を増やしたくて、です。

何もしないで過ごしている時間が無為に思えて、

それであれば多少でも文章を書いているブログ執筆の方が有益かと思ったのです。

 

「何もしない」と言うのは結構難しくて、たいてい「悩む」「ネガティブになる」みたいになってしまいます。

考えるの止めるって難しいですよね。感じるのを止めるのって、なおさら難しい。

 

それであれば何か具体的な事をした方がいいのかな、なんて。

そこで何をする?という時にやっぱり文章を書くことが浮かんできます。

 

自由に文章を書くの、やっぱり好きなんだろうなぁ。

同じように絵とか音楽が作れたら良いのに。

00192_メンヘラ.jp様に寄稿させて頂きました『「早すぎた復職」がもたらした自殺未遂 私のリワーク失敗記』

久しぶりに、メンヘラ.jp様に寄稿させていただきました。

 

menhera.jp



ヤマカワの体験記としては、みっつめの文章です。

どんどん笑えなくなっていきます、すみません。

 

私が復職した時の話です。

結論、上手くいきませんでした。

難しいんです。本人が大丈夫だと思ってもうまくいかないし、自分としては最高の状況だと思って戻っても、うまくいかないんです。

 

どうしてダメなのかわからない時、それでも理由を考えてしまいます。

相性が悪いとどうしようもない。

実は一次障害にADHDASDがあって、その部分について理解されてないから失敗した。

そ も そ も き み は は た ら く の に む い て い な い。

 

色んな考えなんて、してしまうのが間違いかもしれませんが。

悩まれている各位におかれましては、ぜひその悩みを軽減する方向に本記事を解釈して頂きたいです。

 

当事者におかれましては「リワークむずかしい。ぼちぼちやろ」とか。

周囲の方々におかれましては「どんなに配慮しても失敗することはあるからあんまりへこまんでおこ」とか。

どちらにしても「悩みすぎて不安になりすぎて、体調を崩してしまう」ということのないようになれたらいいのでは、と思います。

 

もちろん、希望を持ってリワークに望んでいただきたいし、

周囲の方々には出来る限りの配慮をお願いしたいです。

でも、その理想ばかりが走りすぎないで欲しい、とも思うのです。

 

メンタルヘルスの問題は、抽象化すれば「思考の暴走」だと、私は思ってます。

その中には「ありもしないことに囚われる」というようなことがあると思っていて。

うまくいかないことにへこみすぎないでほしい。でもうまくいくようにがんばってほしい。

みたいな矛盾したことをよく考えます。

 

どんなに最悪でも、生きて欲しい。私のエゴです、分かっています。

できれば、生きて欲しいです。頼れるサービスも、頼れる人も、近くにいますので、ね。